『ステイポジティブ』何かで聞いたこの言葉を手帳に書き止めたのは1995年のことでした。
日本では経済的な低迷、政治への失望、未曾有の大災害やテロなど、世紀末に向けて暗雲が立ち込めていた時期でした。
あれから長い年月が過ぎましたが、今あらためてポジティブな状態を保ちプラス発想で生きることは大事なことだと思っています。
ネガティブもポジティブもそれ自体に良し悪しはありません。
人間は本来ネガティブな思考をすることが多く、それは生き残るために必要なことだと考えられています。
かつては自然界の驚異が生存を脅かしていましたし、今も様々な危険が形を変えて存在しています。
プラス思考とは、生存に必要なマイナス思考や注意力をなくすことではなく、人間本来のバランスを崩すほどのネガティブの洪水から身を護る手段です。
目の前の現実から目をそらすのではなく、きちんと向き合うために、日頃から前向きな気持ちを持って生きていくことが必要です。
何かで弱っている時に無理に前向きに考えようとしても、出来ない自分にさらに落ち込んでしまいますので、何事もない日常の中でこそ『ステイポジティブ』を実践するということが大切です。
個人的に大きな問題に直面しなくてもマイナス思考になりやすい事柄は日常にあふれ、そっと忍び寄ってきます。
メディアは毒のあるニュースを流し、ネットでは望まなくてもこの世を憂い将来を悲観する情報を目にしてしまいます。
情報社会は簡単に情報にアクセスし社会問題にも関心を持つことができる利点がありますが、自分に出来ないことばかりを考え、身の回りのことや人間関係が疎かになっては本末転倒です。
また近くに人の悪口ばかり言う人がいたり、誰かから心ない言葉を投げかけられることもあります。
避けられればいいのですが、家族であったり仕事であったりすれば避けることはできませんね。
自分の健康を守り心を正常に保つためにも、『ステイポジティブ』は大切です。
また何かを成功させるためにも、それを信じる心、やり続ける勇気が必要です。
どうぜダメだろうと思いながら成功することはできないですよね。
プラス発想で物事を考えられる人に幸運の女神も微笑むと言います。
発明王エジソンは発明に至る道程を
「失敗なんかしちゃいない。うまくいかない方法を1万通り見つけただけだ」
と言っています。
このようなことを言う人が周りにいたら何を負け惜しみを言っているんだと感じてしまいますが、エジソンが言うと説得力がありますね。
バスケットボールの神様マイケル・ジョーダンもポジティブ思考の名言をいくつも残しています。
「10本連続でシュートを外しても僕はためらわない。次の1本が成功すれば、それは100本連続で成功する最初の1本かもしれないだろう」
「障害を前にして立ち止まることはない。壁にぶち当たったとしても、諦めてはいけない。どうやってそれを乗り越えるのか、見出すのだ」
さすが世界的な一流のプレイヤーで神様と言われるだけのことはありますね。
元々の性格もあるでしょうが、人は本来ネガティブ思考が勝っていることを考えると、ポジティブ思考は後天的な生きる技術とも言えます。
危機が迫っているのに脳天気に何もしないことがポジティブ思考ではありませんが、誤った使い方をする人を見てポジティブというと思慮に欠けるイメージを持ったり、無意識に無理強いされていると感じるのか拒絶反応を示す人もいます。
どうしても受け入れ難いと感じるなら、ポジティブにならなければと無理に自分の気持を抑圧しないほうがいいでしょうし、それぞれの転機やタイミングということもあるのでしょう。
世の中にはポジティブに生きようとしている人を無理やり止めるような言動をする人もいますね。
自分がおいていかれることへの恐れからとも考えられていますが、必死なだけにかなり強い反応もあるようです。
近しい人の場合もありますが感情的に巻き込まれずに自分の道を進みたいものです。
様々な意見がある中で、ポジティブ思考への誤解や反感に負けない強さを持ち、ポジティブでいることの大切さを伝え続けている人に出会うと思うことがありす。
斜に構えた物言いのほうが頭が良く見えたり批判もかわせる中で、それらの人たちは何故わざわざ言葉にして伝え続けているのでしょうか。
言葉の大切さは、心に訴えかけ人の役に立つという点において際立っています。
良い言葉を聞けば細胞から元気になり、良い話を読めば脳から全身にエネルギーが流れます。
また危機の真っ只中にある時、最悪の事態に備える必要がある時にこそ、プラス発想でポジティブでいることが大切で、生き残るための命綱にもなります。
それを伝えることが誰かを助けることになるならという、本来誰もが持つ人間の良い側面である利他の心もあるのでしょう。
あるいは、その言葉に一番影響を受けるのは自分だという自覚があるのかもしれません。
私は何かあると瞬間的にマイナスな考えが湧いてくることもある普通の人間ですが、ネガティブな状態にある人を毛嫌いするような見せかけのポジティブではなく、そっと静かに勇気づけるような本物のポジティブな人に接すると、心の底から元気になってくることがあります。
波動のようなものもあるのでしょうが、そういう人は本当にすごいですね。
幸せは、何かの出来事をさすのではなく、それを感じる心だといいます。
同じことが起こっても、人によって幸せだと思うこともあれば不幸とまではいかなくても何も感じないこともあるかもしれません。
病気になってもそれを何かを学ぶきっかけにして生き方を変える人もいますし、大災害の後は何気ない日常があることが幸せだと多くの人が気づきました。
『ステイポジティブ』そのことが誰かの助けになり自分をも助けるなら最高ですね。
毎日を機嫌よく過ごすこと、それが何よりの社会貢献になるのではないでしょうか。
幸せをたくさん感じられるように、新しい時代に一緒に良い種を蒔いていきましょう。