子供が不登校になった時にどうすればいいか!?を考えるためのヒント

子供が不登校になった時にどうすればいいか!?を考えるためのヒント
黒板の写真


不登校が社会問題になり長い年月が過ぎました。
私が子供の頃は登校拒否と言われ、そのはしりの年代ですが、今では認知度も上がり様々な対策が取られています。

不登校にはいろいろなケースがあり一概には言えませんが、少しでもヒントや何かのきっかけになればと思います。


子供が不登校になって平気でいる親はあまりいないでしょう。
何としても学校に行かせなければと躍起になる親御さんもいるでしょうし、昨今の風潮から学校には行かなくてもいいと言う理解のある親御さんもいるでしょう。
いずれにせよ心が乱される状態ではあると思います。

インターネットや本で調べたり、行政や専門家に相談しているかもしれません。
不登校に関わる人が増えたことは良いことですが、それだけに多種多様な意見があり、時には正反対の意見の板挟みになってしまうかもしれません。

絶対的な正解というものはありませんので、今の事態を冷静に受け止め、子供と真摯に向き合ってほしいと思います。


まず問題になるのは、親子の関係が良好かどうかです。
学校には行かなくても親との関係は良好で話ができる状態なら、それだけで大きな救いがあります。
解決策を時間をかけて模索することもできるでしょう。

親に対しても心を閉ざしている場合、子供にとって逃げ場所がないと命の危険もありますので、教育支援センターや教育相談室等の行政を含め早急なサポートを求めましょう。
特に夏休み明けは、将来を悲観し自ら命を終わらせる子供が一年でいちばん多い時期ですので細心の注意が必要です。

相談者を間違えると問題が悪化しますので慎重に検討し信頼できる人を見つけましょう。
客観的に誰が優れているということではなく、相性もありますので、自分の足で諦めずに探しましょう。

親以外の大人や年長者には心を許せる人がいるなら、その人との関係を重視しましょう。
親戚であったり、商店街のおばさんであったり、近所のお兄ちゃんかもしれませんが子供に寄り添ってくれる人は貴重です。
いざという時の逃げ場所にもなりますので、親が一歩引いて見守ることも必要です。

ただ、そのような子供の逃げ場所が反社会的勢力の関係者や子供を搾取する人間だったりするとやっかいです。
子供の性格なども考慮しながら充分見極めて対応を考えましょう。


いずれにせよどこかの段階で専門家にも相談することになりますが、基本的にお金がかかることは認識しましょう。 医者であれば診察料がかかりますし、行政やNPOなど相談は無料の団体でも、対策を取る中で何らかの金銭的負担は必要です。
子供を育てる中での親としての責任だと思ってください。

逆に、溺れる者は藁をも掴む状態で間違ったお金の使い方をすると、お金だけでなく信用も失い解決が遠のくことになるので気をつけましょう。
弱っている人を餌食にするような人もいますので冷静な判断が必要なのですが、すでに判断力を失っている場合もあります。
自分一人で判断しないことです。

悪い祟りがあると高額な商品を買わせたりする人は信用できません。
親身になって相談に乗ってくれる良い人であったり、最初は無料の鑑定だったりするかもしれませんが、恐怖心を植え付ける人には近づいてはいけません。
お金を求めなくても精神的に支配しようとする場合もあるので、まずは自分の心を労り平常心を取り戻しましょう。

不登校に関する本の著者など有名人に相談しようと考える人もいるでしょうが、すでにその人は手一杯で疲弊している場合もあります。
安易に考えず、まずは親が真剣になることが大切です。


ここからはいくつかの方法を書いていきますが、あくまで個人的意見なので、他にも良い方法、サポートする関係者の独自の方法がいろいろあることは心にとめておいてください。

子供が疲れていて引き籠もりたいような状態であれば、まずは休息を優先し充分眠って疲れが取れるようそっとしておいてあげましょう。
しかし、そのまま長期間放置すると昼夜逆転しその後に支障がでますので、病気ではない場合は休息でそっとしておく期間は数週間など適当な日数にする必要があります。

その後は親子間の関係が良好な場合は、学校には行かなくても朝起きて夜寝る、ご飯を食べるなどの生活のリズムは守るよう促しましょう。

学校に行けない原因が、いじめのようなものなのか、その他の原因なのかを子供が話してくれるのであれば聞きましょう。
いじめだと親や先生には言えない場合もありますので、雰囲気で察するなど注意は必要です。
いじめであれば学校に戻れるよう対策を取るか、転校などを考えることになります。

不登校の理由は本人もよく理由はわからない場合も多いので焦らず向き合いましょう。
今の時点ではこれといった理由がなく、大人になってからわかる場合もあります。

ただ、大人から学校に行きたくない理由を問い詰めたり、頑張って行くように励ましたりすることは、子供を追い詰める可能性がありますので安易にそのような言葉を発することは控えましょう。

生まれつきの性質、疲れやすいなどの体質の場合もあります。
研究も進んでいますので、専門家のサポートが役に立つでしょう。


また、そもそも多様性の時代に全員が学校で同質の教育を受けるという前提は今では通用しません。
先進的な志向を持ったお子さんなのかもしれませんし、人とは違う道を進む運命を生きているのかもしれません。

今後どうするか、学校に戻れるようにサポートするのか、別の道を模索するのかを考える必要があります。


私は、小学校高学年から学校を休みがちになり、6年の時には長期連続で学校を休む不登校状態でした。
そのまま卒業し、中学に入学しましたが5月頃からまた不登校になり、それから2年以上学校には行きませんでした。
義務教育の公立中学でしたが進級はできず、1年生のままクラスが変わるたび名簿に名前だけが載る状態になりました。

当時はフリースクールなどもなく夜間部などの知識もなく、学校に行かなくなった2年後には復学できる最後の年と学校から親に通知され、ここで学校に行かなければ人生の終わりだと思ってやむを得ず復学したのですが、今になってもそれが良かったのか悪かったのかはわかりません。

復学した時の担任の先生が何度も家に来てくれて熱心に対応してくれたことには今でも感謝していますし、学校に行ったことで人並みの学生生活を経験でき、高校では友人も彼女もできて楽しく過ごすことができたのも、学校に行ったおかげです。

ただ中学では2歳年下の人と同級生になることは辛いことでした。
途中で一度越境で転校もしています。
越境入学を認めてくれた校長先生は、今思うとあの時代の中で子供のために難しい決断をした立派な先生でした。

しかし普通の中学生にはなれず、周りから不良だと後ろ指を指されることも日常茶飯事でした。
一人暮らしを始めていたことも、世間からは冷たい目で見られる原因だったでしょう。
親にもそのような視線は向けられていたでしょうし、申し訳なかったと思っていますが、親のためにもせめて犯罪者にはならないよう気をつけていました。

荒れた行動の中で、中学にいたヤクザの組長の息子から組に勧誘されたこともありましたが、彼はその後少年院に行って2度と合うことはなかったので事なきを得ました。
相変わらずあまり学校には行きませんでしたが、子供の頃から本好きだったからか国語の成績だけは学年一位になることもありましたので、高校進学は考えていました。
少し将来への希望が見えてきた時期でもあったので、自暴自棄になることはありませんでした。

年齢差は高校ではダブっている人もいたので多少気にならなくなりましたが、専門学校でバラバラな年代の人と同級生になるまで、年齢の違和感は消えませんでした。

また中学高校と画一的な環境に押し込められることに窮屈さを感じたのでしょうか、完全に元通りということはなく休みがちな生徒でした。
高校では計算して落第しない最大限まで欠席と遅刻を繰り返し、他のギリギリの生徒に対し先生からは私に相談すればどこまで大丈夫かわかると言われるほどでした。
専門学校でも、今となれば親が高い授業料を払ってくれた貴重な授業なのですべて出ればよかったと思いますが、休みぐせは抜けませんでした。

学校を出ても生きづらさを感じることは今でもあり、例えば同じ不登校の仲間がいるフリースクールなどだったら長い友人ができたのかもと思うこともないではありません。


今では、小中学校は校長の権限で学校に行かなくても卒業することができますし、検定試験で大学受験資格も得られますので、人生の終わりなどと考える必要はありませんし、学校に行くことも、無理やり通わせることも義務ではありません。
義務教育は子供の権利であり、子供が望むのであれば保護者は教育を受けさせる義務があるということで、教育は必ずしも学校に行くことだけではありません。


子供の不登校が家族の問題に向いあうきっかけになっているのかもしれません。
親子関係、夫婦の関係で何か問題がある、問題と向き合わず蓋をしていることはないでしょうか。
例えばお母さんが嫁姑の問題で悩んでいるのに、お父さんは仕事で忙しくあまり関わらないでいることが子供に影響を与えることはよくあることです。
誰が悪いということではなく、問題が表面化することは変化のチャンスでもあります。

子供の性格や将来のために必要な経験ということもあるでしょう。
長い目で見ればどんな経験も役に立つこともあるので悲観しないようにしましょう。


親が子供に何かを期待するのは当たり前のことですが、私の場合、母親からは良い大学を出てまずは大蔵官僚になるよう言われていましたが、それは叶いませんでした。
父は写真が趣味だったので、写真家になったことで、まったく親を裏切ったわけではありませんが、心に引っかかるものはありました。
自分の人生は自分でクリエイトするという覚悟ができたのは、ずっと後になってからです。

私は不登校を相談したドクターの指導もあり、長くほっておかれたというか休ませてもらったのでその後の選択肢が限られ、真剣に将来を考えるというより成り行きで進んでいった傾向があります。
何かを無理強いされて絶望から命を絶つこともなかったのでその指導は間違いとは言えませんが、もっと早く将来を考えたかったというのが正直な感想です。
もし子供と話すことが可能な状態になったら、親子でよく話し合ってほしいと思います。


学校に行くにしても行かないにしても、不登校の間の時間の使い方は大切です。
ただゴロゴロしているのは良くありません。

ネットやゲームをすることは必ずしも悪いことではありませんが、その内容や頻度によります。
その方面の仕事に繋がる場合もありますし、子供の適性によって考え方も変わってくるでしょう。

いずれにせよ、外に出て太陽の下で身体を動かす時間は必要です。
親子で旅行に行ったり、近所の山でハイキングしたり、海で遊ぶこともいいでしょう。
学校に行かずに外で遊ぶことは勇気がいるかもしれませんが、たまには外の空気を吸って気分を変えましょう。
私は中学に行かない時期、ひとりで北海道や九州にSLの写真を撮りに行きましたし、父にも木曽などに連れて行ってもらいましたが良い思い出です。

逆に街中でいつもフラフラしているタイプの子供は、たまには家でゆっくりするなど普段とは違うことができるよう、家を子供にとって居心地の良い場所にしていくことも必要です。


学校に行かなくても、その時間に勉強することは将来の役立ちます。
学校の勉強でなくても、例えば、語学を習うことはできますし、家でラジオやテレビでも学べます。
外国人の個人授業などを受け日本とは違う世界を知ることは、今の不登校という狭い世界から抜け出すきっかけになるかもしれません。
私はほとんどテレビばかり見ていましたが、もっと英語を勉強しておけばよかったと思っています。

語学以外でも、写真や絵画、音楽など文化的なことでも、テニスやサーフィン、スノボなどのスポーツでもいいでしょう。
人とは違う時間を使えるメリットを最大限に活かせるといいですね。


この世で経験することに本来は良いも悪いもありません。
ただその経験から学び成長していくだけです。

不登校は子供だけでなく親も成長するチャンスでもあります。
大変かもしれませんが、自分を追い詰めたり責めたりせず、将来に希望を持って一歩ずつ進んでいきましょう。

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